終活とは、これからの人生をよりよく生きるために、人生の最期を見つめながら、亡くなったあとに備えることです。
これから終活を始める方のために、「終活とは何か、終活でやるべき7つの準備」について、図解でやさしく解説します。
終活とは?
終活(しゅうかつ)とは「自分らしく、今をよりよく生きるための活動」です。
2012年の「ユーキャン新語・流行語大賞」トップテン選出をきっかけに、世間に広まり、最近では気軽に終活をはじめる方も増えています。
時代とともに変化する「終活の意味」
昔は、自らの死に備えてお葬式やお墓、遺言や相続など、“人生の最期にむけた準備” を意味していましたが、最近では「人生のエンディングを通じて、自分らしく、今をよりよく生きるための活動」と、その言葉の意味も変わってきています。
終活と聞くと、死後について考えるネガティブなものを思い浮かべますが、“未来を生きるためのポジティブな活動”です。
終活の3つのステージ
終活は大きく分けて、
- 定年までの備え
- 定年からの生き方
- 人生の最期に向けた準備
の3つのステージがあります。
「終活」と聞くと、むずかしく思えるかもしれませんが、終活も家を建てるのと同じで、
● じぶんの人生を見つめること(=基礎)
● エンディングノート(=設計図)
がしっかり準備できていれば、心配はありません。
終活でやるべき7つのこと
それでは、終活でやるべき7つのことについてご紹介します。
エンディングノートを書く
エンディングノートは、自分が亡くなったとき、あるいは病気やケガ、認知症で判断能力が衰えてしまったときに備えて、必要な情報を書いておくノートのことです。
エンディングノートを書いておくことで、自分の情報や医療・介護、お墓やお葬式に関する希望を伝えることができます。
お金の計画を立てる
終活においては、これからの人生をよりよいものにするために、お金について考えておくことが大切です。
老後にどんな収入があり、生活費はどれくらい必要かなど、将来の生活に使える預貯金や財産を調べておくことは、終活の重要なステップのひとつでもあります。
老後の介護や医療について考える
高齢化にともない認知症の高齢者が増えていることも終活が注目される理由のひとつです。
日本は、世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、厚生労働省の推計によれば、認知症高齢者の数が、2025年には65歳以上の5人に1人(約700万人)にまで増えると予想されています。
そのため、元気なうちから、老後の介護・医療について知っておくことが大切です。
お葬式・お墓を決める
近年は、お葬式やお墓の考え方も変わってきています。
家族と親しい人だけで行う「家族葬」が主流になりつつあり、お墓も、昔ながらの墓石ではなく、納骨堂や永代供養、自然葬、手元供養などを選ぶ人も増えています。
亡くなったあとのことは、自分以外の誰かが行うことになるため、生前のうちに自分の希望を伝えておくことが必要です。
遺言書を書く
死後の手続きの中で、もっともトラブルや揉めごとが多いのが「相続争い」です。
希望する方法で財産をのこし、相続トラブルを避けるためにも、遺言書を作成し、自分の意思を伝えましょう。
生前整理をする
人が亡くなれば、大量のものが残ります。
遺品整理は時間もお金もかかるうえに、遺族は大事なものとそうでないものの区別がつかず、どう扱っていいのか判断に困ります。
そうさせないためにも、生前整理は重要であり、高齢期に向かって、家財や洋服、本などを処分して、身軽な生活を心がけましょう。
限りある人生をよりよく生きる
終活は、これまでの人生をふり返り、やり残したことをやり遂げるよい機会です。趣味や旅行など、これまで仕事や育児で忙しくできなかったことに挑戦し、限りある人生を充実したものにしましょう。
終活のまとめ
終活は、人生の最期に向けた準備だけでなく、これからの人生をよりよく生きるために大切な活動です。
「いちばんやさしい終活ガイド」では、終活でやるべき7つのことについて各章ごとに、やさしく解説していますので、1日1つずつ読み進めて、ぜひ終活にお役立てください。
大切なご家族のために、そして限りある人生を自分らしく生きるために、一緒に終活を始めていきましょう!
第1章「終活の基本」