老後を安心して暮らすためには、老後の生活にいくらのお金が必要かを知り、老後資金の計画を立てる必要があります。
今回は、「老後に必要な生活費」と「もらえる年金の受給額」についてやさしく解説します。
老後に必要な生活費
夫婦2人で老後ひと月あたりに必要な予想生活費は「27万円前後」といわれており、ゆとりある生活を送るためには、さらにプラス5万円~10万円が理想です。切りつめて生活したとしても、「最低22万円前後」の生活費が必要となります。
また、2019年6月に金融庁は、老後を安心して暮らすためには最低「2,067万円」を、老後資金として貯蓄しておく必要があると発表しました。
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2018年」より。
※老後の生活にいくらのお金が必要かは、その人の“生き方”によって変わります。
老後にもらえる年金受給額
夫婦2人がもらえる年金額は、会社員夫婦(妻が専業主婦の場合)で1ヶ月あたり「22万1504円」となっています。(※2019年の支給例)
自営業(個人事業主)夫婦の場合は1人あたり「6万5008円」となっており、年金だけでは、一般的な生活水準を満たすことができず、老後に不安を抱える現役世代が増えているのが実態です。
※厚生労働省「年金額改定について2019年」
7割以上が「老後の資金確保ができていない」
金融広報中央委員会が全国の18歳~79歳の2万5000人を対象に行った「金融リテラシー調査2016年(※1)」によると、50代で「老後の資金確保ができていない」と回答した世帯が72%もいることが分かっています。
※1 金融広報中央委員会「金融リテラシー調査2016年」
年金で暮らしていける時代は終わり
会社員夫婦の場合でも、公的年金だけでは最低限の生活費を確保するのが難しくなってきており、老後の資金を心配する世帯が増えています。
自営業夫婦の場合は、定年がないので、何歳まで働けるかを意識しながら、退職金に変わる積み立てなど、お金を蓄えておく必要があります。
昨今の年金問題をはじめ、給与水準の低下、退職金なしの会社も増えており、年金で老後を暮らせる時代は終わりました。
増税や社会保障の切り捨てにも拍車がかかっており、こうした社会情勢も、老後の不安をより一層高める要因にもなっています。
平均寿命は「男性81歳」「女性87歳」
老後の資金を確保するうえでは、何歳まで生きるかを考慮してお金の計画を立てる必要があります。
厚生労働省の調査(※2)によると、平均寿命は「男性81歳」「女性87歳」となっており、年々日本人の平均寿命は伸びています。
女性の2人に1人は90歳まで生きる時代であり、老後の資金確保は90歳、100歳まで生きることを考えて貯蓄・積立をすることが大事になります。
※2 厚生労働省「簡易生命表の概況 2018年」
第3章「お金の計画」