【読み方】いっこうしゅう
【別名】浄土真宗
【英語】Ikkō-shū
一向宗とは?
一向宗(いっこうしゅう)とは、浄土真宗のことであり、鎌倉時代の僧侶である一向俊聖(いっこうしゅんしょう)が創めた仏教宗派です。
浄土真宗の明治以降の名称で、それまでは「一向宗」と呼ばれていました。
浄土真宗が一向宗と呼ばれるようになった理由
なぜ、浄土真宗が一向宗と呼ばれるようになったのでしょうか?
その理由について、蓮如上人(れんにょしょうにん)は次のように教えられています。
「あながちに、わが流を一向宗となのることは、
出典:1帖目第15通「宗名・当流世間」
別して祖師もさだめられず。おおよそ阿弥陀仏を一向にたのむによりて、
みな人のもうしなすゆえなり。
しかりといえども、経文に「一向専念無量寿仏」とときたもうゆえに、
一向に無量寿仏を念ぜよといえるこころなるときは、一向宗ともうしたるも子細なし。
つまり、簡単に訳すと、
一向宗は、親鸞聖人(しんらんしょうにん)がいったのではなく、他宗の人がいっていることです。
ですが、お釈迦さまの教えに「一向専念無量寿仏」を説いているので、「一向宗」と呼んでもいいのではないか。
という意味になります。
一向専念無量寿仏とは?
一向専念無量寿仏(いっこうせんねんむりょうじゅぶつ)とは、「阿弥陀仏(あみだぶつ)をひたすら唱えれば、絶対の幸福に救われる」と教えられた言葉です。
「一向宗」の「一向」は「一向専念無量寿仏」の「一向」だといわれており、一向宗も浄土真宗も「阿弥陀仏」を信仰しています。
一向宗の大事なお経
浄土真宗(一向宗)で大事なお経は次の3つです。
- 大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)
- 観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)
- 阿弥陀経(あみだきょう)
これらを「浄土三部経(じょうどさんぶきょう)」といい、中でも親鸞(しんらん)は「大無量寿経」が、お釈迦さまの本心が説かれている、とくに大事なお経であるとしています。