死因贈与

【読み方】しいんぞうよ
【英語】gift on donor's death

死因贈与とは?意味を簡単に

死因贈与(しいんぞうよ)とは、「私が死んだら〇〇に財産を与える」というように、死亡を条件として生前に交わす贈与契約のことです。

財産をわたす側を「贈与者(ぞうよしゃ)」、受けとる側を「受贈者(じゅぞうしゃ)」と呼びます。

死因贈与の基本知識

亡くなった人の財産が、相続人(財産を受けとる人)へ渡ったときに相続税が発生するケース「相続」「遺贈」「死因贈与」の3パターンがあります。

相続が発生する3パターン
相続 生前に財産をわたす相手を「決めていない」場合
遺贈 生前に財産をわたす相手を「遺言によって決めている」場合
死因贈与 生前に財産をわたす相手を「契約によって決めている」場合

死因贈与と遺贈のちがい

遺贈 死因贈与

遺贈(いぞう)は、“遺言書により一方的に財産をわたす意思” を示すことです。そのため、受けとる側は、財産を受けとらないという選択もできます。

死因贈与(しいんぞうよ)は、“贈与する側” と “受けとる側” の当事者同士が合意して「贈与契約」を結ぶものです。

死因贈与のメリット・デメリット

メリット デメリット

死因贈与のメリット

①相続人に自分の要望を聞いてもらえる

死因贈与には、「負担付死因贈与」という形式をとることができます。負担付死因贈与とは、贈与する代わりに、介護や生活の面倒を見てもらうといった契約のことです。

②口約束でも成立する

死因贈与の契約には、明確な規定がないため「口約束」でも成立します。そのため遺贈と違い、書面の不備などで契約が無効になるようなことはありません。

死因贈与のデメリット

①書面がない場合、トラブルになりやすい

死因贈与には、当事者同士の意思(口約束のみ)で成立します。書面がない場合、死因贈与の事実を証明することが難しいため、他の相続人との間でトラブルになりやすいです。

②負担付死因贈与は原則、撤回できない

死因贈与は、亡くなる前であれば、契約を撤回することができます。しかし、負担付死因贈与においては、相続人(受けとる側)がすでに介護などの負担をしていた場合、原則、撤回することができません

③税金面で不利

死因贈与は遺贈に比べて、「登録免許税」と「不動産所得税」の税率が高いです。

負担する税金の違い
遺贈 死因贈与
登録免許税 法定相続人は 0.4% 2%
不動産取得税 法定相続人は 非課税 4%

死因贈与は贈与税ではなく、相続税の対象

死因贈与には、「贈与税」ではなく「相続税」がかかります。

「贈与」という言葉が入っているため、贈与税が課税されそうなイメージがありますが、贈与ではなく相続の対象になります。

【関連する用語】:定期贈与連年贈与遺贈

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