成年後見制度とは?わかりやすく簡単に解説!

成年後見制度は、認知症など判断能力が低下した人の財産を管理し、不当な契約などから守ることができる制度です。

最近は、ご両親や大切な人を守るために、また身近に頼れる人がいないので「成年後見制度」について知っておきたい、という人も増えています。

今回は、「成年後見制度とは何か?わかりやすく簡単に」解説していますので、ぜひ読み進めて理解を深めていきましょう。

成年後見制度とは?

成年後見制度

成年後見制度(せいねんこうけんせいど)とは、認知症などにより判断能力が低下した人や知的障がいのある人などの財産を管理し、不当な契約などから守る制度です。

守る立場の人を「成年後見人」。守られる本人を「成年被後見人」といいます。

成年後見人の仕事内容

身上監護 財産管理

成年後見人の役割は大きく2つ、医療や介護などの手配・契約手続きをする「身上監護(しんじょうかんご)」と預貯金や不動産などの取引を管理する「財産管理」があります。

成年後見人は、あくまで支援を行ってくれる人を探したり手配するのが仕事であり、食事や排せつのお手伝い、お掃除や送迎など、直接的な介護をしてはいけません

身上監護や財産管理を行うにあたっては、本人の意思を尊重し、何を望んでいるかを見極め、健康や精神状態に十分配慮することが大切です。

成年後見制度は2種類ある

成年後見制度は「法定後見制度」「任意後見制度」の2種類あります。

法定後見制度 任意後見制度

法定後見制度

法定後見制度は、すでに判断能力が低下した人のための制度であり、本人の判断能力の程度に応じて次の3つに分類されます。

法定後見制度の3類型
法定後見制度の3類型
後見 自分の子どもや親族が誰なのか分からない程に、判断能力が低下した状態。
保佐 物忘れが激しかったり、1万円と5千円札の区別がつかないなど、著しく判断能力が低下した状態。
補助 預貯金の管理に不安があるなど、判断能力に少し心配がある状態。

それぞれの類型によって、守る立場の人のことを「成年後見人」「保佐人」「補助人」と呼び、守られる本人のことを「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」と呼びます。

また、守る立場の人の仕事を監視する人についても「成年後見監督人」「保佐監督人」「補助監督人」と呼び分けています。

任意後見制度

元気なうちに後見人を決めておく

任意後見制度は将来、認知症などで判断能力が低下した場合に備え、本人が元気なうちに「後見人」になってもらう人を選び、「任意後見契約」を結んでおく制度です。

任意後見契約では、自分が認知症になったときにどんな施設に入りたいか、どんな生活をしたいか、といった内容を決めます。

任意後見契約は、公正証書(こうせいしょうしょ)の形式で契約し、公証役場から東京法務局に任意後見登記の手続きがとられ、守る立場の人は「任意後見受任者」として登記されます。

★ 任意後見受任者になれる人

任意後見受任者になれる人は、20歳以上の個人または法人です。

★ 任意後見契約の効力が発生するとき

任意後見受任者 任意後見人

任意後見契約の内容は、本人の判断能力が低下し、親族などが家庭裁判所に申し立てをして「任意後見監督人」が決まったときから実行されます。

(任意後見監督人とは、本人が選んだ任意後見人がきちんと仕事をしているかチェックする人です)

成年後見人になれる人

成年後見人になるのに特別な資格は必要なく、20歳以上であれば誰でもなれます。

弁護士事務所や司法書士事務所、成年後見業務を行っているNPO法人や社会福祉協議会などの「法人」が成年後見人になることもできます。

※近年は、弁護士・司法書士・社会福祉士といった法律の専門家など、親族以外が後見人を引き受けるケースが増えています。

成年後見人ができること・できないこと

成年後見制度では、判断能力が低下した人を守るために、「代理権」「同意権」「取消権」などの権限が与えられています。

代理権 同意権 取消権
成年後見人の主な権限
代理権 (判断能力が低下した人)の契約などを代わりに行うことができる
同意権 (判断能力が低下した人)の契約などに同意できる
取消権 (判断能力が低下した人)が交わした契約などを、過去にさかのぼって取り消すことができる

後見、保佐、補助のいずれかによって、権限の範囲も異なります。

※取消権は、高額な商品を購入してしまった…といった場合には返金してもらうことができますが、「日用品の購入」については、取り消すことができません。

成年後見制度のメリット

成年後見制度のメリットを伝える弁護士

成年後見制度には、次のメリットがあります。

後見人が財産を管理できる

成年後見制度を利用する一番のメリットは、後見人が「本人の財産を管理・取引できる」ことです。

例えば、介護施設に入所するためのお金が必要になったとき、本人の財産を売却して、必要な資金を用意したりと、本人のためにお金を使うことが可能になります。

犯罪や悪徳商法から守れる

悪徳商法に騙されてしまったり、訪問販売で高額な商品を買ってしまうなど、本人にとって不利益な契約をしてしまったときに、後見人が選任されていれば、契約を取り消し、犯罪から守ることができます。

第三者による財産の使い込みを防げる

判断能力が低下している人の財産を、親族などが使い込んでしまうケースもあります。後見人が選任されていれば、本人の財産を成年後見人が管理するので、第三者が勝手に使うことはできず、大切な財産を守ることができます。

成年後見制度のデメリット

成年後見制度のデメリットを伝える弁護士

成年後見制度には次のデメリットもあります。

財産の自由度が減る

すべての財産を後見人が管理するため、相続人やご家族にとっては不便に感じるケースがあります。

例えば、財産は本人にとって必要なことにしか出費できないため、孫の入学祝いや学費を渡す、といったことも難しいです。

費用がかかる

成年後見制度には「費用」がかかります。

申し立てのときにかかる費用をはじめ、後見人への報酬が発生します。

後見人の取り下げが難しい

いったん選任された成年後見人を、自由に解任することはできません。

例えば、後見人が気に入らない、報酬がもったいないからといった理由で、後見人を解任することはできませんので注意が必要です。

※後見人の解任は、「①不正な行為」「②著しい不行跡」「③その他後見の任務に適しない事由」など、解任事由に抵触していると認められた場合のみ可能です。

成年後見制度にかかる費用

お金の計算をする人

成年後見制度にかかる費用は、主に「①申立費用」「②後見人への報酬」です。

①申立費用

申し立てや登記の手数料・切手代のほか、医師の診断書、住民票、戸籍謄本などの取得費用がかかります。(申し立て費用は原則、申立人が負担します。)

申し立てや登記の手数料・切手代は「約7,000円以上」。医師の鑑定費用は「5万円~10万円」が一般的です。

②後見人への報酬

後見人への報酬は、毎年かかります。

報酬は後払いで、後見人が家庭裁判所に後見等事後報告書を提出し、報酬の支払い申し立てをします。家庭裁判所はそれを受けて、本人の財産や、後見人の仕事量などから報酬額を決定します。

成年後見制度の手続きの流れ

成年後見制度の手続きの流れ

成年後見制度を利用するには、以下のような流れで手続きを進めます。

申し立てをする

申立人は必要な書類を揃えて、家庭裁判所に申立書を提出します。

家庭裁判所による調査

守られる本人や申立人と面接を行い、申立内容や診断書などから、後見・保佐・補助のどれに該当するか審判を出します。

後見の登記

審判が確定したら、家庭裁判所が東京法務局に登記の依頼を出します。

後見開始

登記が完了すると、本人の財産が後見人に預けられ、後見開始となります。

手続きの流れや必要書類は「法定後見制度」と「任意後見制度」によって異なります。それぞれの手続きの流れ・必要書類は、以下で詳しく解説しています。

成年後見制度のまとめ

成年後見制度は、認知症などで判断能力が低下した時に、財産を管理し、安心の暮らしを守ってくれる制度です。

最近は、元気なうちから「任意後見契約」を結び、将来に備える人も増えており、成年後見制度の仕組みを理解したうえで、利用を検討してみましょう。

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