「終活は何から始めていいのか分からない…。」
「遺言や相続のことなど、誰に相談したらいいのか分からない…。」
という方も多いのではないのでしょうか。自分がどんな悩みを抱えていて、どんな相談をしたいかによって、相談先は変わってきます。
そこで今回は、「終活の相談は誰にすればいいのか」、悩み別に適切な専門家をご紹介します。
終活の相談ができる専門家
終活アドバイザー
終活アドバイザーは「終活相談のプロ」です。
終活の身近な相談相手として、「終活の進め方」や「身の回りの困りごと」を解決するための、適切なアドバイスをしてくれます。
▼終活アドバイザーにできる終活相談
- 終活の相談
- エンディングノートの書き方のアドバイス
- 専門家の紹介
終活カウンセラー
終活カウンセラーは「終活のカウンセリングをするプロ」です。
終活に関する幅広い知識を有し、相談者の悩みをしっかり聞いて、最適な相談先を案内してくれます。
ずばり「シニアのお困りごと案内人」といえますね。
▼終活カウンセラーにできる終活相談
- 終活の相談
- 最適な専門家を案内
終活アドバイザーや終活カウンセラーは、終活の悩みを相談できる頼れる案内人です。一人ひとりの悩みを聞き、実際の業務は、弁護士、司法書士、行政書士、税理士に引き継ぎます。
「終活って何をするの?何から始めたらいいの?」「エンディングノートはどうやって書けばいいの?」といった相談は、終活アドバイザーや終活カウンセラーにするとよいでしょう。
終活の依頼ができる専門家
弁護士
弁護士は「法律のエキスパート」です。
法律相談、裁判・調停、法的書類の作成など、法律事務全般を行います。終活においては、遺言書作成や遺産分割調停などでお世話になります。
「遺言書や遺産分割協議書」の相談ができるのは「弁護士だけ」ですので、遺言書の内容をどうしたらいいか、どのように遺産を分けたらいいか、といった遺言相続に関する相談は弁護士が適任です。
▼弁護士に相談できる終活業務
- 遺言書の作成
- 法的書類の作成
- 法律相談(遺言書の内容など)
【関連記事】終活は弁護士に相談したほうが良い理由をやさしく解説!
司法書士
司法書士は「法的書類作成のエキスパート」です。
裁判所などに提出する法的書類の作成に長けており、弁護士よりも「身近な法律家」として知られています。
終活においては、遺言書作成や遺産分割調停の申立てなどでお世話になります。
登記といえば司法書士といわれるくらい、不動産の登記は司法書士の専門分野です。遺産に不動産を含む場合の遺言書の作成や、相続登記(不動産の名義変更)などの依頼は司法書士が適任といえます。
▼司法書士に相談できる終活業務
- 不動産を含む遺言書の作成
- 相続登記(不動産の名義変更)
- 遺産分割協議書の作成
- 遺産分割調停の申立て
- 相続放棄の申立て
【関連記事】司法書士が終活で力になれること
行政書士
行政書士は「書類作成のエキスパート」です。
終活においては、遺言書の作成や相続手続き、遺産分割協議書の作成などでお世話になります。遺言書や遺産分割協議書の作成だけをお願いする場合は、他の専門家よりも費用を安く抑えられます。
ただし、行政書士は業務範囲が限られており、弁護士のように法的事務は行えないため、「どのような内容の遺言書にしたらよいか」といった相談はできません。
また、相続登記(不動産の名義変更)ができないため、遺産に不動産が含まれている場合は、司法書士に依頼する必要があります。
▼行政書士に相談できる終活業務
- 遺言書の作成
- 相続手続き
(相続人の調査、相続財産の調査、財産目録の作成、相続関係図の作成、預金の相続手続き、自動車や株式の名義変更、戸籍謄本の取得など) - 遺産分割協議書の作成
【関連記事】行政書士が終活で力になれること
税理士
税理士は「税務のエキスパート」です。
終活においては、「相続税の申告」などでお世話になります。
相続税の申告ができるのは税理士だけですので、相続税を支払う必要があるときは税理士に相談するのが適任です。
ただし、相続税の申告が発生するケースは1割にも満たないため、ほとんどの方にとって税理士の出番は少ないかもしれません。
▼税理士に相談できる終活業務
- 相続税の申告
- 生前贈与の節税対策
【関連記事】税理士が終活で力になれること
終活相談は誰にすればいいのか【まとめ】
終活相談は誰にしたらいいのか、最後に「各専門家の業務範囲」をまとめます。
弁護士 | 司法書士 | 税理士 | 行政書士 | |
---|---|---|---|---|
遺言書の相談 | ○ | |||
遺言書の作成 | ○ | ○ | ○ | ○ |
相続財産の調査 | ○ | ○ | ○ | ○ |
相続人の調査 | ○ | ○ | ○ | ○ |
遺産分割協議書の相談 | ○ | |||
遺産分割協議書の作成 | ○ | ○ | ○ | ○ |
相続人の代理人 | ○ | △ | ||
不動産の名義変更 (相続登記) |
△ | ○ | ||
遺言検認手続き | ○ | ○ | ||
特別代理人申立て | ○ | ○ | ||
相続放棄の申立て | ○ | ○ | ||
遺産調停の申立て | ○ | ○ | ||
相続税の申告 | ○ | |||
相続紛争の代理交渉 | ○ |
相続人同士で紛争がなければ「司法書士」「行政書士」へ依頼。紛争があるなら「弁護士」へ依頼するのがよいでしょう。
遺産相続は得意不得意が分かれますので、相続問題を専門に扱っている弁護士、司法書士、行政書士、税理士を選ぶことが大切です。
遺言執行までお願いするのであれば、慎重に検討し、相性のよい信頼できる専門家を見つけましょう。