相続税対策、相続税の申告など、税金に関する相談ができる、ただひとりの専門家が「税理士」です。
今回は、終活で税理士はどのように力になってくれるのか、「終活と税理士の関係」についてやさしく解説します。
税理士とは?
税理士とは、税務のエキスパートです。
税金対策や税務書類の作成など、税務に関する相談・依頼ができます。
終活に関していえば、「相続税対策」や「相続税の申告」ができるのは税理士だけです。
▼税理士の主な仕事内容
- 税務書類の作成
- 申告手続きの代理
- 税務調査
- 税金に関する税務相談
- 相続税対策
「税務に関する業務」は税理士の専門分野であり、生前贈与や相続税の申告を税理士に依頼することで、スムーズに手続きを進められます。
税理士が終活に関してできること
税理士が終活で力になれる業務には、主に次のようなものがあります。
相続税の申告
相続税の申告ができる専門家は「税理士」だけです。
そのため、相続税を支払う必要がある場合は、「税理士」に相談・依頼することになります。
ただし、相続税が発生するのは、相続財産が3,600万円以上ある場合ですので、実際に「相続税の申告」が必要になるケースは少ないです。
相続人・相続財産の調査
相続が発生すると、相続人はだれか、どんな遺産(相続財産)があるか、などを調べる必要があります。税理士は、こうした「相続財産の調査」「相続人の調査」も行います。
遺産分割協議書の作成
遺言書が残されていない場合、相続人同士で、誰がどの財産をどれくらいの割合で相続するかを話し合います。これを、遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)といいます。
話し合った内容は「遺産分割協議書」という書類にまとめます。自分で作成することもできますが、税理士に依頼すれば、記入ミスがないので安心です。
遺言書の作成
実際に業務として、遺言書の作成を行っている税理士は少ないですが、「遺言書の作成」を税理士が行なうことも可能です。
ただ、相続税の申告が必要ない場合は、あえて遺言書の作成を税理士に依頼する必要性は低いでしょう。
税理士と他の専門家の比較
終活の相談ができる専門家は行政書士のほか、「弁護士、司法書士、行政書士」がいます。
以下に、遺言・相続で税理士が対応できることについて、他の専門家との比較をまとめました。
税理士 | 弁護士 | 司法書士 | 行政書士 | |
---|---|---|---|---|
相続税の申告 | 〇 | |||
相続税対策 | 〇 | |||
相続財産の調査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
相続人の調査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
遺言書の作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
遺産分割協議書の作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
法的書類の相談 | 〇 | |||
相続登記 (不動産の名義変更) |
△ | 〇 | ||
遺言書の検認 | 〇 | 〇 | ||
相続放棄の申立て | 〇 | 〇 | ||
遺産分割調停の申立て | 〇 | 〇 | ||
相続争いの代理交渉 | 〇 |
終活と税理士の関係まとめ
税理士は税務のエキスパートであり、「相続税の申告」ができるのは税理士だけです。
ただし、すべての税理士が相続税に精通しているわけではありません。税理士に依頼する際には「相続税を専門とし、申告実績が豊富」な税理士を選びましょう。